菅直人首相が26日、正式に退陣を表明し、民主党代表選が本格化した。
その中で、小沢一郎元代表は海江田万里経産相を支持すると側近議員に伝えたと報道されている。
これでひとまず、前原誠司元外相と海江田氏との対決となりそうだ。
単純にグループ別で計算すれば、前原グループは約60人。小沢グループと鳩山由紀夫前首相のグループは合わせて約160人。
菅首相のグループ約40人と、中間派約90人が誰を推すか不明だが、「反小沢」のスタンスに立つ議員が多いのは間違いない。
その意味で、昨年9月のような「反小沢」対「親小沢」の図式が強まれば、前原氏側に票が流れる可能性が高い。野田佳彦財務相は苦しい展開となった。
ただ、両氏の政策を見れば、そう大きな差はない。
前原氏は増税問題について、「経済のパイを増やして税収を上げる。そのことが社会保障財源にもつながる」と経済成長重視の立場。
海江田氏も、「社会保障の充実のためにやむを得ないが、デフレ脱却ができていない段階で増税すべきではない」と復興増税には反対だ。
外交・安全保障については、外相経験がある前原氏のほうが明確。日米同盟を基軸とし、集団的自衛権行使の容認、憲法9条改正を持論とする。
海江田氏も日米関係を重視するものの、「東アジアの経済統合」を唱え、やや中国の軍拡問題などには疎いのかもしれない。
政策的には前原氏が望ましいが、偽メール問題や外国人献金問題などに見られるように、政治手腕の点で不安が残る。(織)