民主党の代表選は今月末にも行われる見通しだが、ポスト菅レースでは、小沢一郎元代表の動向がレースの大きな鍵を握りそうだ。

代表選に出馬表明したのは、野田財務相、馬淵前国交相、海江田経産相。その他にも、鹿野農水相、小沢鋭仁元環境相、前原前外相などの出馬が取りざたされている。

各陣営は、党内最大の120人を擁する小沢グループの支援を取りつけようと躍起だ。19日には、海江田氏、小沢鋭仁氏が、それぞれ小沢元代表の事務所を訪れて支援を要請。その見返りか、両氏は小沢元代表の党員資格停止処分を見直す考えを示唆している。

脱小沢路線だった野田氏も、小沢グループを完全に敵に回すわけにはいかず、増税反対派の小沢氏に秋波を送るかのように、2012年度以降に実施予定だった増税の開始時期について「経済情勢を見ながらやらねばならない」と再検討をにおわせた。党内で支持基盤のない鹿野氏も、週明けに小沢氏と会談するという。

金銭問題で党員資格停止処分を受けている小沢氏が、ここに来てキングメーカーとして“復権”しているのは何の因果か。今回の代表の任期は来年9月までのため、小沢グループ内には、「来年9月には『小沢首相』」の声もあるという。

しかし、「壊し屋」の異名を持つ小沢氏も今年で69歳。政治家としての幕の引き方を考え始める頃かもしれない。これまで様々なものを壊してきた小沢氏だが、今回はいずれの候補を推すとしても、日本という国家を繁栄へと導く建設的な判断を期待したい。(格)