菅首相が唱える「脱原発」や、マスコミの放射能に関する過剰な報道で日本全国に「原発アレルギー」が広がっているが、そんな中、宗教政党「幸福実現党」(ついき秀学党首)が、脱原発では日本が衰退していくという大胆な意見広告を、11日付日経新聞に掲載した。

「『脱原発』で、日本はどうなる?」というタイトルの広告はQ&A方式で構成。主な論点は次の通り。

Q1:自然エネルギーでだいじょうぶ?

A:太陽光や風力による自然エネルギーは、現時点では出力が不安定で、全発電量の1.1%にすぎない。開発のコストも高く、国民や産業界の負担が増大する。いますぐに基幹エネルギーにするには無理がある。

Q2:電力不足で日本経済はどうなるのか?

A:製造業の日本脱出は避けられず、東北の復興にもさらなる悪影響を与えかねない。もし国内の原発54基が停止すれば、実質GDPは約20兆円失われ、失業者も約20万人増加すると試算されている。

Q3:「エネルギー安全保障」の面から見ると?

A:日本のエネルギー自給率は、原発を除けば4%と極めて低水準。化石燃料の輸入による火力発電に依存すると、中東やシーレーンで軍事的緊張が高まれば、エネルギー供給のリスクが増大する。

Q4:福島の放射線量――実際のレベルは?

A:今回の事故によって受ける今年1年間の積算被曝線量は、通常の生活で受ける自然放射線量と同レベル。CTスキャン1回分以下で、胎児や遺伝にも影響がない。むしろ風評被害で自殺者が増えたり、福島県産物の買い控えや宿泊キャンセルなど深刻な被害が出ていることのほうが大問題。

Q5:原発の安全性を高めるのも日本の使命では?

A:新興国の経済発展により、世界のエネルギー需要は高まる一方。今回の事故も、地震の揺れによる原子炉の被害はほとんどなく、津波による全電源喪失と冷却系機器の破壊が主な原因。世界一安全な原発を開発・提供してゆくことこそ。日本の使命。

菅首相の“怨念”を払拭し、こうした正論が日本の中心軸となる日が来ることを願うばかりだ。(格)