30日付で2つの新聞が、四国お遍路にからめて菅直人首相の批判記事を載せている。これは単なる偶然か、それとも何かネタ元が?
産経は「空海、『延命』首相を叱る?」と題するコラムで、6月2日に菅首相が「私にはお遍路さんを続けるという約束も残っている」と話したことを紹介。首相が四国遍路を再開したら最初に行くことになるのが第54番札所の「延命寺」であることを挙げ、ズルズルと自らの「延命」を図ることを批判している。さらには四国の霊場を開いた弘法大師・空海の偉大さを称えているが、なぜかタイトルのような内容は出てこない。
読売は、国民新党の亀井静香代表が29日に菅首相と会談し、「今のままでお遍路に行っても、極楽には行けずに地獄に行く。やるべきことをやるべきだ」と首相に求めたことを伝えている。
その読売(東京本社版)の記事の下には、大川隆法総裁の公開霊言シリーズ『もし空海が民主党政権を見たら何というか』の広告が出ている。先週発売された同書の内容を、産経の執筆者も亀井代表も目ざとく使ったのかもしれない。
同書から、天上界の空海の言葉をいくつか紹介する。
「菅さんは霊的には、四国八百八狸(はっぴゃくやだぬき)の“ご加護”が少し入っているだろうと思う(中略)。宗教的パワーで狸の浄化をしなければいけないかもしれない」
「菅さんだけといわず、民主党そのものが、政権を取る前に言ったことを、今、全部、反故にしていきつつあるから、はっきり言って、嘘つきは全員だな」
「要するに、『私、空海は(菅首相に)四国巡礼を禁じる。それを破った場合には、何かの天罰が落ちても知りませんよ』ということです」
産経のコラムにはこうある。「信仰は大切なものだが、日本国首相である菅氏に求められるものはそれではあるまい。この国を間違いない方向に導いてゆくことこそ、首相に課せられたただひとつの責務である」
だが弊誌の考えでは、一国のトップにとって信仰心ほど大切なものはない。神仏の意を受けて国を正しく導くことこそ政治家の責務であり、菅首相の政治がこれほどひどい根本原因は信仰心がないからだ。国民を騙す狸のような精神レベルから脱し、人間の条件である信仰心に目覚めねば大変なことになると、弊誌は空海に習って菅氏に警告する。(司)
【関連書籍】『もし空海が民主党政権を見たら何というか』