原発の再稼働をめぐり、菅首相と意見の食い違いを見せる海江田経済産業相が、17日付毎日新聞のインタビューで「(原発を)すべてストップするシナリオは頭の中にない」などと答えている。

インタビューでは、「脱原発」をどう考えるかという質問に対し、海江田氏は「(化石燃料頼みになれば資源国などに)弱みにつけ込まれ、ガスなどの価格が上がる。(再生可能エネルギーなどの)新技術を何年で開発し、それまでどうつなぐかなど、緻密な議論が必要だ(中略)。すべてストップするシナリオは頭の中にない」と答えた。

また、菅首相が「脱原発解散」に踏み切ったときに容認するかという問いには、「できない。(解散のための閣議書に)署名はしない」としている。

興味深いのは、菅首相が「脱原発宣言」を行った13日のやりとり。首相から会見の4050分前に電話を受けた際、海江田氏が「核兵器を持たずに原子力技術を本格開発してきたのは日本ぐらいなのに、その技術を捨て去っていいのか」と問いただすと、首相は「そうした議論は今度やろう」と取り合わなかったという。

海江田氏は「脱原発」の是非についてまだ答えを出せていないようだが、「時期が来たら責任を取る」という自身の発言について、「想像していただければ。自分は間違ったことはしてない」と語るなど、「脱菅内閣」の気持ちだけは固まっているようだ。まともな神経を持つ人であれば、国民を不幸にする菅内閣の迷走は、良心が痛むはずである。(格)