2026年2月号記事

コピーライター・川上徹也氏インタビュー

それはキャッチコピーじゃない!

初心者がコピーをつくる4原則

コピーライターに心をつかむ言葉のつむぎ方を聞いた。

コピーライター

川上 徹也

(かわかみ・てつや) 湘南ストーリーブランディング研究所代表。大手広告代理店勤務を経て独立。広告電通賞、ACC賞など受賞歴多数。著書に『キャッチコピーのつくり方』(日本実業出版社)など多数。
Book
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キャッチコピーのつくり方
川上徹也 著
日本実業出版社

1 いざ並べたらかすむ言葉

キャッチコピーに関する本はあふれていますが、表面的なテクニックを並べただけのものや、逆にプロ向けで普通の人は真似できないものもあります。ここでは普遍的ながら、初心者に使える「考え方の軸」を紹介します。

まずキャッチコピーを書くときは、その商品のことだけを考えるのではなく、世の中の似たような商品にどんな言葉が使われているかを調べます。

というのも、これはありがちな失敗なのですが、自分の商品だけを見て「これしかない!」と思うコピーを書いても、いざ他の商品と並んだ時、同じようなことを言っていて、刺さらないことが多いのです。

例えばレストランの宣伝をする時、「お客様を笑顔にする」と銘打ったとします。自分たちにとっては正解なのですが、見る側からすれば「言っていることは分かるけど……」で終わってしまうのです。

人は自己本位で物を見ます。内向きの最適解を見つけても、「並べた時にどう見えるか」という視点を忘れがちです。

 
次ページからのポイント(有料記事)

「ターゲット属性」の注意点

"商品のことを語るな"

"かっこいい表現"の罠