2025年1月号記事
法人増税は庶民を貧しくする!
企業敵視政策はなぜ間違っているのか──。
「(法人税率は)まだ上げる余地がある。負担する能力のある法人にはもう少しお願いしたい」
こう自民党総裁選の討論会で、法人増税に言及したのが、石破茂氏だ。これと同じ方向性を目指したのが米民主党のハリス氏で、同氏は28%への引き上げを目指していた。
対照的であるのが新大統領に決まった共和党のトランプ氏だ。同氏は、一期目の2017年の「減税・雇用法(Tax Cuts and Jobs Act(TCJA))」による大型減税で下げた法人税率をさらに15%に引き下げ、タックスヘイブン(*1)なみの税率にすると公約した。同氏は「私は企業を守りたい」と訴えたが、トランプ氏の守護霊も、霊言で「私はアメリカ経済の成長力を大切にして、実際にそういう態度を実践している人たちを守りたい」と同趣旨のことを訴えていた(*2)。
(*1)一定の課税が著しく軽減、ないしは完全に免除される国や地域。
(*2)『守護霊インタビュー ドナルド・トランプ アメリカ復活への戦略』
法人増税で被害を受けるのは国民
日本の法人税率は世界で最も高いレベルにある。法人増税で手っ取り早く税収を増やせるという論調が日本には多いが、その主張は正しいと言えるのか。
実は、アメリカではトランプ氏がTCJAを成立させる前から、高い法人税で企業が海外に流出していることは超党派で問題視されていた。
多国籍企業にとって、競争相手は海外の企業であり、彼らとの熾烈な競争で勝たなければ市場で生き残れない。競争相手の本国は安い税率で競争優位に立つため、アメリカを本拠地とする理由はなくなった。トランプ氏は一期目で30年間放置されてきた法人税改革に乗り出したのだ。
一世代という長い期間放置された税制で損害を受けたのは国民だ。2000年から16年にかけて、米フォーブス誌が作成する米企業上位500社にランクインする企業のアメリカからの脱出が続き、本社をアメリカに置く企業の数は25%以上減少した。
成長志向の法人税改革を
改革が30年も放置されているのは、日本でも同じだ。特に知識社会に適応していない税制が社会を劣化させているのは否めない。
それを改革するには、成長志向のトランプ氏のTCJAを多いに参考にすべきだ。なぜなら企業が利益を上げ、国の景気がよくなり経済成長を遂げることによって初めて税収が増えるからである。
大川隆法・幸福の科学総裁は、この経済成長の重要性をこう説く。
「景気をよくしないかぎり、税収を増やすことはできません。景気をよくせずに、『まず、税収を上げよう』と考えるのは本末転倒です。(中略)ほとんどの会社が赤字で、法人税を払わず、正社員を嘱託社員や派遣社員に切り替えていくような状況になり、『法人税を払いたくない』『所得税を払いたくない』という方向に行くなら、税収は増えるはずがありません。景気をよくしないかぎり、根本的には解決しないのです。景気をよくすることが大事です」(*3)
日本は超党派で米民主党路線を突き進むようだが、それがさらなる低成長と、貧窮化をもたらしかねない。
トランプ氏の大型減税の立役者であるラッファー博士と自由主義の経済学者の蔵氏に話を訊いた。
(*3)『幸福維新』
※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。
ラッファー博士インタビュー/トランプ減税の立役者が語る 法人減税がもたらした繁栄
蔵 研也氏インタビュー/法人増税は日本を貧しくする