《ニュース》
米民主党の大統領候補であるカマラ・ハリス氏が16日、保守系のFOXニュースの単独インタビューに初めて応じましたが、保守派などから「大惨事だった」と酷評されています。
《詳細》
インタビューを行ったのは、FOXニュースのチーフ政治アンカーであるブレット・ベイヤー氏です。ベイヤー氏は"トランプ氏のファン"ではありませんが、今回のインタビューでは、ハリス氏に厳しい質問を畳みかけました。
インタビューの冒頭、ベイヤー氏は、バイデン政権で移民政策を担当してきたハリス氏に対し、「バイデン政権によって、何人の不法移民が国内に釈放されたか」と繰り返し尋ねました。ハリス氏は明確な数字を答えず、「要点は、私たちの移民制度は壊れていて、修復する必要があるということです」とはぐらかしました。
またベイヤー氏は、米国家安全保障省が600万人の不法移民が国内に釈放されたと推定していることを挙げ、バイデン政権がトランプ政権のメキシコ残留政策などを撤回する決定を下したこと、そしてその決定が凶悪犯罪者の釈放とどう関係しているのか、不法移民の手によって子供を失ったと議会で証言した母親がいることなどについて追及しました(※メキシコ残留政策とは、亡命を希望する移民を米移民裁判所の審理結果が出るまでメキシコで待機させるプログラムのこと。後にバイデン政権はメキシコ残留政策を再開した)。
ハリス氏は、トランプ氏が共和党に議会超党派グループがまとめた移民対策法案を拒否するよう求めたために、同法案が廃案になったことに触れ、「トランプ氏が問題を解決するよりも、問題を残したまま選挙戦を戦うことを望んだからだ」と指摘。しかし、バイデン政権の不法移民対策のまずさについて、責任を取ろうとする姿勢は示しませんでした。
またハリス氏が過去に、トランスジェンダーの受刑者に対する性別適合手術を税金で支援する姿勢を示したことが話題に上がり、今でも支持するかについて問われると、ハリス氏はトランプ氏に話題を移しました。「私は法律に従います。ドナルド・トランプが実際に従った法律です」と述べ、トランプ政権下でも連邦刑務局が収監されている人々に性別適合手術を行っていたと釈明しました。
ハリス氏とバイデン氏の違いを問われると、ハリス氏はバイデン政権について自分が変えたいと思うことは何も挙げないまま、「私の政権は、バイデン大統領の政権の継続にはなりません」「私は新世代の指導者を代表しています」と言い、バイデン氏とどんな違いがあるのかについては明らかにしませんでした。
さらにベイヤー氏が、バイデン・ハリス政権が発足して3年半が経った今、米国民の79%が「国が間違った方向に進んでいる」と答えているのはなぜかと質問し、「新たなページをめくるなら、あなたは3年半も(副大統領の)役職に就いている」と指摘しました(※「新たなページをめくる」はハリス氏の選挙スローガン)。それに対し、ハリス氏は「そしてドナルド・トランプはそれ以来、選挙活動をしてきました」とトランプ氏のせいにする返答をし、ベイヤー氏は「しかし、あなたは役職に就いていた人物です」と返していました。
トランプ陣営の広報担当者キャロライン・リービット氏は、インタビュー放送後に声明を発表し、このインタビューは「大惨事」であり、「(ハリス氏は)答えがないため、1つの質問にもはっきりと答えられなかった。カマラの選挙運動は、すべてトランプ大統領に関する嘘に基づいている。カマラはFOXニュースとのインタビューのプレッシャーに耐えられない。米国大統領であることのプレッシャーに耐えられないのは当然だ」と述べました。
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