《ニュース》
多くの州で大麻が合法化されているアメリカで、連邦政府が大麻の規制を緩和すると発表しました。一方、2022年に娯楽目的も含めて大麻が合法化されたタイでは、合法化を取り消す方針となっています。
《詳細》
アメリカではこれまでに、38州と首都ワシントンで医療目的での大麻使用が認められており、半数近い24州でも娯楽目的での使用が合法化されています。しかし、連邦レベルでは違法で、大麻は薬物の区分ではヘロインや合成麻薬の「LSD」などと同じ、乱用の可能性が最も高い「1類」に指定されていました。
これを、解熱鎮痛剤などと同じ乱用の可能性がより低い「3類」に変更し、許可を得れば取引が可能になります。アメリカでは大麻の闇取引が横行しているため、合法化により管理を進められると期待されています。調査会社ギャロップによると、23年の調査で大麻合法化を支持したのはアメリカの成人の約70%で、2000年の30%から大きく増えています。
バイデン大統領は昨年、大麻所持の犯罪歴が一生ついて回ることで「多くの人生が狂ってしまった」と発言し、大麻法の見直しを指示していました。民主党議員のグループは4月、アメリカ大麻取締局(DEA)と司法長官に対し、大麻をアルコールと同じように扱うことを求めています。
一方、22年6月に大麻の栽培や娯楽利用が認められたタイでは、セター首相が年内にも合法化を取り消す方針を示しています。タイでは解禁後、大麻の販売店や大麻を扱うスパ、レストランが急増し、大麻中毒者は解禁後半年で4倍近くに増加するなど(2023年1月9日付日経新聞電子版)、深刻な社会問題となっています。
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