菅直人首相が辞任を示唆しながら、その後一転して、長期続投に意欲を示したことに反発が強まっている。

菅首相は2日午前に鳩山由紀夫前首相と会談した際、鳩山氏の主張する「第2次補正予算案編成のメドがついた段階での退陣」に同意した。菅首相が同日昼の代議士会で退陣をにおわせると、鳩山氏は発言を求め、党として一致して不信任案に反対することを呼びかけた。これで菅首相続投が決定的になったわけだが、夜の記者会見で菅首相は、福島第一原発が冷温停止する来年1月までの続投を事実上宣言した。

鳩山氏はすっかり菅首相に騙されたわけで、翌朝、「ペテン師まがい」と批判したものの、菅首相の狡猾さの前に虚しく響いた。

考えてみれば、社会主義者、全体主義者には嘘は付きものだ。計画経済、統制経済の下で「これだけ国民を豊かにする」と約束するわけだが、それが達成できなかった場合は、その達成した経済レベルに合わせて人口を減らし(大量粛清し)、計画通りの豊かさを実現したことにしてしまう。

ソ連やナチスドイツ、戦時中の日本には、常にプロパガンダという嘘であふれていた。

菅首相は、着々と統制経済を完成しつつある。震災直後の一律的な計画停電、浜岡原発の全面停止と夏場の電力制限、国民の収入や資産を管理する共通番号制の導入(4月末に決定)……。そして消費税を10%、20%へと増税し、日本経済を破壊しようとしている。

国家社会主義者の菅氏にとって、自分が首相の椅子に座り続けるために国民に対して嘘をつくことに何の良心の痛みも感じないのだろう。(織)