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米司法省は28日(現地時間)、テキサス州が成立させたいわゆる「移民逮捕法」を施行した場合、同州を訴えると脅迫しました。
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争点となっているのは、テキサス州のグレッグ・アボット知事が今月署名した「SB4」と呼ばれる法案です。
メキシコと国境を接するテキサス州は、「ローンスター作戦」として知られる数十億ドル規模の国境警備プログラムを強化してきましたが、州警察の権限に制約があり、不法横断は依然として高水準で続いていました。
そこでこのほど、メキシコからの不法入国を州の犯罪とし、不法移民を逮捕・強制送還できる法案を、移民権利団体やヒスパニック系の強い反対を押し切って、共和党が多数を占める議会で可決しました。
この法案に対し司法省は、移民政策を決定する権限は連邦政府にあると反発。知事に対し書簡を送り、来年3月の施行を1月3日(現地時間)までに撤回するよう要求し、さもなければ「SB4の運用を差し止めるために訴訟を起こすつもりだ」と通告しました。
知事は、法的な異議申し立ては予期していたとして、最高裁で争う意向を明らかにしています。また声明では、「4年前は、トランプ政権の4つの政策のおかげで、アメリカの不法越境は数十年間で最も少なかった」「バイデン大統領の意図的で危険な無策により、テキサス州は自力で守らなければならなくなった」と述べています。
アメリカでは不法移民が大きな社会問題となっています。2023年度(22年10月~23年9月)の、メキシコと接する南西部国境で拘束された不法移民の数は247万人を超え、3年連続で過去最多を更新しました。最近でも、米FOXニュースがクリスマスの期間の4日間だけで3万5000人の移民と遭遇し、12月だけで南部国境で25万人以上の移民と遭遇したとも報じています。
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