《ニュース》

米共和党は23日、2024年11月の米大統領選指名争いに向けた候補者による第1回テレビ討論会を開催しました。

支持率トップを独走しているなどの理由からトランプ前大統領は欠席し、代わりに事前収録した元FOXニュース司会者のタッカー・カールソン氏とのインタビューを、討論会の5分前にSNS「X」で公開しました。

翌24日、トランプ氏は20年大統領選でジョージア州の選挙結果を覆そうと共謀したとして起訴されたことを受け、州都アトランタの拘置所に出頭。20万ドル(約2900万円)の保釈金を支払って、20分ほどで保釈されました。

《詳細》

討論会に参加したのは、フロリダ州のデサンティス知事、投資家のラマスワミ氏、ペンス前副大統領、ヘイリー元国連大使、スコット上院議員、ニュージャージー州のクリスティ前知事、ノースダコタ州のバーガム知事、アーカンソー州のハチンソン前知事の8人(支持率順)。

約2時間に及んだ討論会の議題は、バイデン政権の経済政策やウクライナ支援、対中政策など多岐にわたりました。4つの刑事事件で起訴されたトランプ氏が党指名候補となった場合、「有罪になっても支持するか」と司会者が問いかけると、クリスティ氏とハチンソン氏以外の6人はみな支持を表明。トランプ支持者層に配慮する様子が目立ちました。

一方のトランプ氏は、20年大統領選で敗北した結果を覆そうとしたとして、ジョージア州法違反の13の罪状で起訴され、8月24日に同州フルトン郡の拘置所に出頭しました。

大統領経験者として初めてマグショット(顔写真)を撮影されたトランプ氏は保釈後、アトランタの空港で、「米国にとって非常に悲しい日だ」と語りました。そして「私はこの選挙は不正選挙、盗まれた選挙だと思っていた。私にはそうする(異議を申し立てる)権利があるはずだ」と主張。一連の司法手続きを「茶番」だと呼びました。

実際、今回の起訴でトランプ氏側が違法とされた事案の中には、かつて1960年の大統領選でJ.F.ケネディ氏が用いた手法とまったく同じものが含まれているなど、相当の無茶があります。

また法律(憲法)の解釈には複数の説があるので、自らの依って立つ解釈に基づいて必要な調査をすることは当然認められる権利ですが、それにまで難癖を付けて強引に犯罪者にもっていこうとするのでは、もはや民主主義国家の体を成していないと言わざるを得ません。

トランプ氏は、マグショット画像をX(投稿は2年以上ぶり)や自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、「選挙妨害」「決して降伏するな!」という大文字のコメントとともに、選挙運動サイトのリンクを掲載して、寄付を呼びかけています。

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