米航空宇宙局(NASA)は24日、小惑星や火星への有人宇宙船「MPCV」(Multi-Purpose Crew Vehicle)計画を正式発表した。
この計画は、有人月探査を目指した「コンステレーション計画」で米ロッキード・マーチン社が開発していた「オリオン」をベースにして進められる。オバマ大統領は昨年、予算不足を理由に同計画を廃止したが、この技術を新たな多目的有人宇宙船として活用するわけだ。2025年までに小惑星、2030年代には火星を有人飛行するのが目標。
さらに、米国の2大民間宇宙開発企業の一つであるスペース・エクスポラレーション・テクノロジースのイーロン・マスクCEOは、23日の米紙ウォールストリート・ジャーナルのなかで、10~20年以内に火星への有人飛行を実現させたいと語っている。米政府には、宇宙船開発を民間企業に委ねたい思惑もあり、今後は企業間のさらなる競争も予想される。
財政赤字に苦しむなかでも、米国は航空宇宙技術の進歩そのものを手放すつもりはないようだ。国の繁栄を維持するうえで、新たな付加価値を生み出すための技術革新がいかに重要であり、なかでも宇宙開発がその最先端であるという認識なのだろう。
それにつけても、やはり宇宙はまだまだ未知であり可能性に満ちている。デフレ不況や震災で国民の意識が萎んでいる今のような時期こそ、夢のある未来構想を打ち上げたいものだ。さまざまな規制のために日の目を見ていない技術や可能性が、日本にはまだまだ眠っているに違いない。(雅)
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