《ニュース》

バイデン政権下で、大麻(マリファナ)合法化が進んでいます。

ジョー・バイデン米大統領は2日、大麻使用・研究に関する規制撤廃の動きとして、上下両院を超党派で通過した「大麻研究法案」に署名しました。連邦政府において、単独で大麻改革法案が可決・成立したのは初めてのことだとして、話題を呼んでいます。

《詳細》

バイデン氏が署名したのは、「医療用マリファナおよびカンナビジオール研究拡大法(Medical Marijuana and Cannabidiol Research Expansion Act)」と呼ばれる法案で、7月に下院を、11月に上院を通過しています。

同法案は、1970年に制定された規制物質法により、大麻が、ヘロインやLSD(幻覚剤)などと同様に最も厳しいスケジュール1に分類されている現状を受け、大麻の科学研究に対する連邦政府の規制を緩和することを目的としたものです。

バイデン氏は大統領選でも、大麻使用の合法化や大麻所持による前科の抹消などを公約として掲げてきました。

中間選挙に先立つ今年10月には、大麻所持により連邦裁判所で有罪判決を受けた人全員を恩赦すると発表。さらには、大麻の単純保持を違法としてきた規制を緩和していくと、公式に語りました。

その後行った学生ローン救済をめぐる演説では、「いかなる人も、大麻の使用や所持だけで刑務所に入るべきではない」「(大麻を)売ることはできませんが、使用だけなら、完全に自由です」と語り、聴衆から喝さいを受けています。

この前提には、各州で進む「大麻解禁」の流れがあります。嗜好用の大麻は19の州とワシントンDCで合法、医療用は37の州と3つの米領で合法とされ、アメリカ人口のほぼ半分が、大麻使用を合法とする州に住んでいるとされます。

合法州が増えたことで、大麻の使用者も増加。昨年の調査によれば、大麻を使用したことがあるアメリカ成人の割合は、過去最高の49%に達したとのことです(米調査会社ギャラップ社)。

もちろん、大麻合法化による治安悪化や米国民の心身が害されるという懸念の声も、保守派を中心に多数上がっています。しかし、大麻合法化を支持する人々が増えている背景もあり、バイデン政権は引き続き規制撤廃に動くと見られています。

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