枝野幸男官房長官が東電に融資する銀行に債権放棄を求める発言をしたことに対して、反論が相次いでいる。

全国銀行協会・奥正之会長(三井住友フィナンシャルグループ会長)

「債権放棄、金利減免とも念頭にない」

経済同友会・長谷川閑史新代表幹事

「政府としての意思がはっきりしないうちに軽々に口を挟み、株価に影響を与えるようなことは避けてもらいたい」

東京証券取引所・斉藤惇社長

「銀行の関係者に十分な説明がないと放棄はできないと思う。世界的にも混乱を招く」

慶応大学・岸博幸教授

「政治的な意思ばかりで、ビジネスの現実を無視している。市場をかえって混乱させている無責任な発言だ」

16日には三菱UFJフィナンシャル・グループの永易克典社長が「非常に唐突感、違和感がある」と反発し、「(債権放棄に応じるのは)かなり難しい」と述べたばかり。

枝野発言を受けて銀行株は下落基調にあり、震災からの復興を目指す日本経済の出鼻を挫いた形になっている。

菅政権は、続々と集まる批判に謙虚に耳を傾ける必要があるだろう。(村)

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