《ニュース》

人工知能(AI)を使って制作された絵画がコンテストで優勝したことが、物議を醸しています。

《詳細》

米コロラド州に住むゲームメーカーCEOのジェイソン・アレンさんが8月、同州の美術コンテストにおいて、新人アーティスト部門の「デジタルアート・デジタル加工写真」分野で優勝しました。作品は、ルネサンス絵画とSF風の絵画を組み合わせたようなものでした。

議論を呼んだのは、その作品がAIによる画像生成ツールを使って制作されたということ。

「ミッドジャーニー」と呼ばれるそのツールは、例えば「お菓子の森を歩くリンゴ」といったフレーズを入力することで、AIがその指示に従った絵を自動的に、数秒で作成します。誰でも利用できる上に、使い方によってはかなり高レベルの幻想的な絵が描けるといったことから、昨今、話題になっていました。

これを利用した作品がコンテスト優勝したという結果について、現役アーティストが汚い言葉で罵ったり、「ロボットがオリンピックに出場するようなもの」と批判したりする声などが相次いでいます。

それに対しアレンさんは、現在は描画ソフトもかなり発達しており、その延長線として、あくまで補助的なツールとしてAIを使ったに過ぎないとの反論をしています。

アレンさんいわく、絵の作成には膨大な時間を費やしたとのこと。「ビクトリア朝の衣装と宇宙のテーマを融合させる」といった意図と指示によってAIに人物を描写させ、無数の微調整を加えながら完成させたとのことでした。

作品のどこまでがアレンさん自身の創造性や技術によるもので、どこまでがAIの生成によるものか──という判断は難しいところかもしれません。

いずれにせよ、アートの領域ではまだまだ使い物にならないと思われているAIが、想像以上の"描画精度"を持ち始めたことを象徴するような事件に、多くの人が衝撃を受けています。

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