《ニュース》

ロイター/イプソスによる世論調査によると、ジョー・バイデン米大統領の支持率は36%まで低下し、過去最低を記録しました(5月24日時点までの調査)。

バイデン氏の支持率が低空飛行を続ける中、米メディアが政権内の亀裂を報じています。

《詳細》

リベラル寄りのNBCニュースは5月31日、現・元政府職員や政権に近い民主党議員など20人以上に取材したとして、「バイデン政権内の漂流(Inside a Biden White House adrift)」と題した独自記事を掲載。

バイデン氏が上がらない支持率にいら立ち、自身の部下や民主党議員との対立を強めている様子を報じました。

同記事によると、バイデン氏は自身が声明を発した後に、部下の政権スタッフが「彼の言葉の真意は違うところにある」と弁解に走るという構造がパターン化していることに、不満を抱いているとのこと。

政権スタッフによる一連の行為が自身の名声を傷つけ、共和党陣営による「バイデン氏には統率能力がない」という批判を促進していると、側近にこぼしているといいます。

同記事によるとバイデン氏は、自身の支持率が記録的に低く、このままでは中間選挙で負ける可能性を理解してはいるものの、なぜ支持率が低いのかには首をひねっており、「現状を何とか解決するよう部下たちにかなりプレッシャーをかけている」とのことです。

大統領首席補佐官のロン・クレイン氏が中間選挙後に辞任するとも噂されており、バイデン政権内での亀裂が深まっているものと見られます。

同記事によると、バイデン氏は自身の部下のみならず、民主党議員に対しても、テレビに出演してバイデン氏を擁護する議員が少ないと批判しているとのことです。一方で民主党議員らは、バイデン氏が記録的なインフレやガソリン価格の高騰などに対処できていない現状を批判しており、両者の対立が強まっています。

バイデン氏が人種融和の"象徴"として政権内に多数起用した黒人スタッフも、ここにきて大量に辞職。対露制裁をめぐっては強硬派と穏健派が対立を強め、穏健派の高官が政権を離れるなど、バイデン政権の足元が揺らいでいます。

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