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ソフトバンクグループが2022年3月期の連結決算を発表し、最終損益が1兆7080億円の赤字になることが分かりました。
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ソフトバンクは、「AI」をテーマに据え、主に非上場株への投資を行うビジョン・ファンド1号・2号において、約3兆7000億円の投資損失を計上。設立以降の累計投資利益の半分が無くなったことになります。
同社は、自社の評価における「最も重要な指標」に、保有資産の時価評価を基準とする時価純資産(NAV)を位置付けていますが、投資先の企業の株価が軒並み下がっており、NAVも落ち込んでいます。例えば、中国政府がIT企業への規制を強化しており、最大の投資先である中国のアリババグループの株価は今年に入り33%下落しています。
孫正義・会長兼社長は会見で、「手元に現金を厚く、投資基準を厳格にする」と強調。上場した投資先の株式売却や、株担保ローンによって約5兆6000億円の資金を確保している上に、2022年1~3月の新規投資の承認額は、前の四半期と比べて8割減少。今後1、2年程度は積極的な投資を控える方針といいます。
孫氏は、「投資先が475社積み上がっており、徐々に収穫期を迎える」と、先行きは明るいことを強調しています。ただ、13日付日経新聞は「今後は投資回収のスピードが鈍化する可能性が高く、絶え間ない新規投資と回収によって収益基盤を拡大する戦略に暗雲が垂れ込める」と指摘しています。
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