全国の電器店で扇風機が売れている。福島第一原発の津波被害による事故と、浜岡原発の全面停止を受けて、日本を挙げての「節電ブーム」が生じつつあるのがその背景にある。

11日配信のスポーツ報知(WEB版)によると、家電量販店のヤマダ電機では、昨年比で460%の売上を記録、1973年度をピークに出荷台数が減っていた扇風機が突然売れ始めた格好だ。7日付YOMIURI ONLINEでも、「ヨドバシカメラマルチメディアAkiba」(東京都千代田区)で扇風機の売上が例年の2倍近く売れていると報じている。

扇風機は消費電力がエアコンよりも約40~100分の1に抑えられるため、節電を余儀なくされる中にあって、まさにお役立ち商品と言える。

しかし、夏に向けた家電商戦の主役だったエアコン売り場が閑散として、扇風機売り場に人が群がる様は、時代が逆行して先祖返りしているようで違和感がある。土鍋や魔法瓶も売れているというから、時代はすっかり「昭和」だ。

もっとも「羽根のない扇風機」など高価格タイプが売れているというから杞憂に過ぎないのかもしれないが、エコや省エネという名の「文明否定」「成長否定」にあまりの多くの国民が同調するようだと、日本経済の停滞は一層長く続くことになるから要注意だ。(村)

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扇風機バカ売れで時代は「昭和」に逆戻り