10日付英紙フィナンシャル・タイムズによれば、カナダのケベック州は同州の北部地域における広大な地域開発計画を発表した。開発予定地はフランス国土の2倍(=日本の国土の3倍)もの面積で、鉱山、エネルギー、森林資源の開発が中心だという。

同地域ではすでに相当量の鉄鉱石、ニッケル、金、ウラン、ダイヤモンドなどの鉱床が確認されている。計画は25年スパンの「一世代にわたるもの」で、天然資源に対する需要を急増させている世界の新興諸国に対し、権益や産出品を売り、莫大な利益を得ることを狙っている。

その狙いはすでに実現化している。中国のウィスコ国際資源会社は最近、カナダのトロントにあるアドリアーナ資源開発会社の株を20パーセント取得した。ア社はケベック州北部で新たな鉄鉱石の鉱床を探索しており、これはカナダ始まって以来の大プロジェクトになるという。

同州はまた、同地域で3500メガワット分の代替エネルギー開発を引き受けており、その大部分は水力発電になるという。

繰り返すが、今回開発される地域は日本の3倍の面積だ。これに比べれば、日本は鉱産資源においても水力発電の可能量においても非常に限られている。こうした国土事情やエネルギー事情からも、日本は今後、有望な代替エネルギー技術が開発されるまでの間、原子力発電を捨てるわけにいかないことが分かるだろう。(司)

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