能力や才能に頼らずに成功する秘訣は「習慣」にある。習慣を持続させる技術について、人材開発コンサルタントに話を聞いた(2015年3月号 記事より再掲。内容や肩書きなどは当時のもの)。

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『「やめた!」がなくなる 続けるスイッチの作り方』著者

松島 直也


(まつしま・なおや)人材開発コンサルタント。有限会社日本NLP学院代表取締役。一般社団法人全国心理業連合会評議員。著書に『「やめた!」がなくなる 続けるスイッチの作り方』(アスカビジネス)、『ストレスをためない技術』(日本実業出版社)など。

新しい習慣を身に付けようとして、ついつい三日坊主で終わってしまったという方は多いかもしれません。それは、私たちの普段の行動のほとんどを「無意識」が司っているからなのです。

「無意識」は、変化を避ける傾向があります。また、自分の感情や欲求を満たすための肯定的な意図に基づいて行動します。だから、「楽しい」「うれしい」ことは続くのです。

「やらなくてはいけない」という義務感で動く場合、背後に「やりたくない」という気持ちがあるので、「無意識」もこれを避けようとするのです。

自問自答で強い動機を見つける

他人に何かをお願いする場合は、相手の感情に配慮するでしょう。けれども、自分自身の本音に対しては、そのプロセスを飛ばしがちです。本当は、他人に接するように、自分とも付き合ったほうがよいのです。

努力感のあるものを習慣づけるには、無意識も「やりたい」と納得する強い動機を見つける必要があります。

そのためには、繰り返し自問自答することです。例えば、「ランニングをしなければ」と思った場合、直接の動機は「最近疲れ気味だから体力を付けたい」ということかもしれません。何のために体力を付けたいかというと「もっといい仕事がしたいから」、それは何のためにか……と、問いかけを続け、自分自身がワクワクし、楽しいと感じる動機にたどりつくと、やりたくて仕方なくなります。

動機さえはっきりすれば、方法論は後からついてきます。行動自体にとらわれず、自分に合ったやり方を見つけると習慣化しやすくなるでしょう。

自分の良い所を評価し結果に一喜一憂しないこと

とはいえ、習慣力の成果が表れるまでには時間がかかります。もし「この習慣に意味があるのだろうか」と思ってしまう方がいるなら、それは結果を焦りすぎているのだと思います。

ヤンキースのイチロー選手は、「最高のバッティングをする」という動機を持ち、淡々とトレーニングを積んでいます。ヒットを打っても、「自分のバッティングができたか、まぐれだったか」と、そのつど、丁寧に分析しています。「今、自分はやるべきことをやっている」という充実感があるので、その日の結果に一喜一憂することもありません。

動機に素直になり、続けていける人が、最終的には大きな結果を出すのだと思います。(談)

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