「ストレス過多は体によくない」と頭では分かっていても、仕事のことを考えると、自分の健康は、後回しにしてしまう……。そんな中小企業の社長を数多く診断してきた医師に、ビジネスリーダーが健康を保つコツを聞いた(2019年10月号記事より再掲。内容や肩書きなどは当時のもの)。

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ラ・クォール本町クリニック理事長・院長

瀧野 敏子

(たきの・としこ)
和歌山生まれ。大阪市立大学医学部卒業。淀川キリスト教病院に消化器内科医長として勤務後、2004年に独立。ラ・クォール本町クリニックを設立し、理事長・院長を務める。著書に『社長のための健康サバイバルマニュアル』(悠飛社)。

中小企業の社長さんは、健康管理が非常に難しいです。会合がやたらと多くて、絶対にお酒とご馳走がついてきます。しかも、健康に配慮して食べるのを控えていると、体調が悪いのかと心配されてしまいます。

医者にかかればすぐに噂が広まってしまうので、病院に行くのも一苦労です。診察に行く姿を見られないために、飛行機を利用して別の都市の病院に行かれる方もいらっしゃるほどです。

超多忙な毎日の中で医者にかかるタイミングを失い、いつの間にか病気が進行してしまっている方が、即刻入院になるケースが往々にしてあります。

多忙な社長さんこそ検診を

病気を予防するためには、食生活を整え、運動し、睡眠時間を確保するなど、基本的なことを改善していくのが一番です。一日24時間のなかで、自分の健康に投資する時間を中心に置くというように、発想の転換をしていただきたいと思います。

中小企業の社長さんは、自分の命を担保に生命保険をかけて経営しているので、その覚悟とストレスは比類ありません。特に50~60代の社長さんは、会社、お客様、社員や家族のことで頭がいっぱいで、自分の健康や命は二の次と考えている方が多いようです。100%の自己責任として経営されていて、本当にすごいと思います。

しかし、中小企業の社長さんは大企業のサラリーマン社長と違い、代わりの人がいるわけではありません。「社長の健康=会社の健康」です。独立独歩でやってきた方は「深刻な病気に直面したくない」という気持ちもあるとは思いますが、そのような方ほど定期的に人間ドックを受けていただきたいです。

よき習慣を確立する

その際に、経営者の状況をよく理解する病院を探して、社長さんに対するリスペクトの思いを持っている主治医を見つけることが大切です。ベスト・ドクターズコムやホスピサーチといった、実力のある医者を紹介するサイトを利用してもよいと思います。また、中学や高校の同窓など過去の縁をたどって見つけるのもおすすめです。

ご自身の体をマネジメントするために、信頼できる医師と相談し、実行可能な目標を設定しましょう。ビルはエレベーターを使わずに階段で上がる、一日30分のウォーキングをするなど、できるところから自分を律していきましょう。会合の場は名刺交換をする場だと決めて、何も食べないという社長さんもいます。よき習慣を確立してライフスタイルを変えることが重要です。

積極的休養でストレスを抜く

肉体と上手に向き合って健康生活を送っていればこそ、多くの方々に幸せを与えることも可能です。中小企業の社長さんたちには、少しでも長く活躍していただきたいです。

ストレスは病気に直結しています。経営上の問題が負荷になって、がんになる方をたくさん見てきました。

ストレスを解消する方法として、「屋内で一人」で、「屋内で大人数」で、「野外で一人」で、「野外で大人数」でできることの4パターンを持っておくとよいとも言われています。特に社長さんは、呼吸法を実践されている方がとても多いです。こうした積極的休養によってストレスを抜くことも、健康管理の一環です。

中小企業の社長さんは、ゼロからイチを生み、事業を創り上げてきています。ストレスは多いと思いますが、「経営」という大変なことをされてこられたわけですから、ご自身のストレスも、きっとコントロールできると思います。(談)

Check

「社長の健康=会社の健康」と考える。
「毎日30分歩く」など、自分にできる目標を立て、家族や仲間と一緒に実行する。

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