経済団体などから東日本大震災の復興構想案が相次いでいるが、その復興財源について、なぜか揃って「増税案」を打ち出している。

日経連は、3月31日に発表した「震災復興に向けた緊急提言」で、「時限的な増税を検討」という文言を盛り込んだ。

経済同友会は、4月6日発表の「東日本大震災からの復興に向けて」で、「復興税の導入も検討」としている(法人税実効税率の引き下げ見直しは、「慎重に検討」と事実上否定)。

日本商工会議所は、3月31日発表の「『東日本大震災』の復旧・復興に関する要望」で、「復興税として消費税増税を行う」ことを「やむを得ない」とする。

また、新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)幹事会は、4月13日に発表した「緊急提言:復興の道筋を早急に定めよ」で、「国税及び地方税の増税について広く国民の理解を求めるべき」と言及している。

増税で景気が冷え込むことを一番恐れるはずの経済団体が足並み揃えて増税を訴える様は、ある意味で壮観だ。各党の提言を見ても、明確に増税を選択肢から外しているのは、みんなの党と幸福実現党くらいで、「増税やむなし」の空気が日本を覆いつつある。まるで貧乏神に取り憑かれているとしか思えない。

この時期に増税などしたら、不況という深刻な二次災害をもたらすことは明らかだ。経済界は不況の招来を予測できないほど想像力に乏しいのか、それとも潜在意識で不況を望んでいるのか。(村)

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