米国防総省のホームページで発表された「タスクフォースの設置」に関するリリース。
《本記事のポイント》
- 米軍に「未確認飛行現象タスクフォース(UAPTF)」が設置
- 「UAP」は「UFO」とは違うものの……
- 米政府の「真相」公開は近づいている!?
デヴィッド・ノークイスト米国防副長官がこのほど、新しいUFO調査のタスクフォース「Unidentified Aerial Phenomena Task Force (未確認飛行現象タスクフォース/UAPTF)」の設置を認めた。UAPTFは、国防総省の情報担当国防次官の管轄下において、海軍が指揮することになる。
「UAP」は「UFO」とは違うものの……
一般的に使われている「UFO」という言葉には、いわゆる宇宙人の飛来がニュアンスとして含まれているが、「UAP」は基本的に他国の領空侵犯を想定している。今回のタスクフォースも、特に中国のドローンなどの航空手段を用いた偵察能力を警戒したものだ。
ペンタゴンがこのタスクフォースを設置したのは、UAPがどのような性質を持ち、どこから来たのかを理解し、洞察をさらに深めることを目的としているという。その使命は、アメリカの国家安全保障に脅威となる可能性のあるUAPを捜査、分析、分類することにある。
ペンタゴンは、「我々の訓練場や指定された空域へ無許可で侵入したものを重要視し、目撃者が飛行物体を即座に識別できずUAPとして報告されたものを含め、どのような報告も真剣に調査する」としている。
ペンタゴンには2007年から12年まで、極秘のUFO調査プログラムがあった。それを米ニューヨーク・タイムズ紙が17年に暴露し、世界中で大きな話題となった。しかしUFO調査は終了したわけではなく、そのまま継続された。そして名称を「UAPTF」に変え、このほど正式なタスクフォースとして公表されたわけだ。
米政府の「真相」公開は近づいている!?
ここ何年か、大統領選前になると必ずUFOマターがメディアで大きく取りあげられるようになっている。
今月5日、トランプ大統領は米テレビ番組「フォックス・ビジネス」の著名なアンカーマンであるルー・ドブス氏によるインタビューで、「私の多くの友人が、UFOについて政府が何をするのか、とても気にかけているのですが、UFO追求に向けてさらに踏み込んだり、情報を公開したりする予定はありますか?」と聞かれ、こうジョークで答えた。
「そうだね……多分、君がこの国で一番UFOの専門家だから、私は偉大なるルー・ドブス君にすべて従うよ。すっかり開示することも含めてね(笑)」
ドブス氏は「大統領閣下、これ以上のお答えはありません」「後ほど電話いたします」とジョークで返したことが、大きな話題になった。
ペンタゴンが4月に、3本のUFO動画を公開して以降、UFOの話題が一般的なニュースに頻繁に現れるようになった。UFOは、「UAP」として国防上の懸念として扱われているが、宇宙人の存在が否定されたわけではない。むしろ、アメリカ政府は少しずつ情報を開示しながら、「真相」の公開に近づいているのかもしれない。(純)
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2020年8月9日付本欄 米紙ニューヨーク・タイムズが予測 「ペンタゴン、次は墜落したUFOの証拠を暴露か」
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2020年7月7日付本欄 トランプ大統領が「ロズウェルについて知っている」と発言