中国のラジオ局CRI(Chinese Radio International)のサイトによると、中国やブラジル、カンボジアなど複数の国の政府と人権専門家が、アメリカ国務省が8日に発表した「国別人権報告書2010」を非難している。

彼らの言い分は、同報告書が「約190の国と地域の人権状況を歪曲している。アメリカは人権を隠れみのとして他国の内政に干渉し、自国の政治的目的を達成しようと図っている」というものだという。

中国国務院新聞弁公室が10日に発表した「米国の人権記録2010」は、「アメリカは深刻な自国の人権問題を無視したまま『人権外交』に熱を入れている」と指摘した上で、「自国の戦略的利益を獲得するため、人権でもって他国のイメージを低下させている。これは人権問題でダブルスタンダードを取り、覇権主義を進めようとする陰謀の表れだ」としているという。

またブラジル外務省は9日に声明を発表し、「アメリカ政府が毎年発表している『国別人権報告書2010』は自国の法律に基づいて一方的に他国の人権状況を評価しているものであり、国内と海外米軍基地(グァンタナモ米軍基地)などの人権問題を無視している」と指摘した上で、この報告書の受け入れを断った。この他、カンボジア、アルジェリア、スーダン、ベトナムの政府と関係機関もこの報告書を非難しているという。

今回アメリカを非難した6カ国(中国、ブラジル、カンボジア、アルジェリア、スーダン、ベトナム)と、非難されたアメリカでは、どちらの言い分に正義があるのか? 6カ国すべてを同日に論じることはできないが、少なくともカンボジア、アルジェリア、スーダンなどに他国から移住する人と、アメリカに移住する人のどちらが多いかを考えた場合、どちらがいい国かは明白だ。無論アメリカも完璧な国ではないが、中国のように相手の「陰謀」を勘ぐるのは、自分がそういう陰謀を企てているからであることが多いのではないか。(司)

※現在、デイリーニュースクリップは無料でお読み頂けます。近日中に有料購読に移行予定です。


【4月11日分ニュースクリップ一覧】
統一地方選で民主完敗
復興構想会議が発足
アフリカ連合仲介で停戦実現なるか
財政問題で揺れるアメリカ