フランスがアフガニスタン、リビア、そして内戦状態となった旧植民地のコートジボワールの3地域で同時に実戦を展開中であることについて、7日付インターナショナル・ヘラルド・トリビューンや読売新聞が伝えている。

読売は、仏軍が多国籍軍のリビア空爆に約2400人の部隊を派遣し、アフガニスタンには仏軍約4000人が駐留、今回の本格的な3正面作戦が仏にとって1958年の第5共和制開始以来初めてであることを客観的に伝えている。だがIHTは、仏のサルコジ大統領の思惑やリビア攻撃のもたらした影響にまで踏み込んでいる。いわく、

・  サルコジは歴史的な支持率の低さにあえいでおり、来年の大統領選を控えて国民の愛国心をかき立てようとしてタフなところを示しているのだとの見方もある。ある政敵は「サルコジは、できることなら毎週でも戦争を始めるだろう」と話している。

・  国連にとってコートジボワールへの介入は、政治的姿勢の根本的シフトの一部であり、対リビア軍事行動がそのシフトに拍車をかけた。国連の外交官や分析家によれば「人道的見地からの軍事介入(humanitarian intervention)は帝国主義の隠れ蓑ではないか」という従来の論争は、リビアへの介入によって少なくとも一時的に影を潜めている。

・  過去においては主権国家への内政干渉を避けてきたロシアと中国でさえ、コートジボワールに関する国連決議を支持する側に回り、リビアでの軍事行動にも拒否権を行使しなかった。

フランスが3つの戦争を戦っていることと言い、それらの戦争が国連決議に基づくことと言い、21世紀は20世紀以上に「戦争の世紀」となる様相を見せているのが世界の現実だ。こうした現実に対して日本が発言力を持つためには、まずは国連の常任理事国に入るための努力をする必要がある。(司)

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http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1408

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