HSU未来産業学部 アソシエイト・プロフェッサー
木村 貴好
(きむら・たかよし)1971年、埼玉県生まれ。筑波大学第二学群生物学類卒。同大学院修士課程(環境科学)修了、同農学研究科博士課程単位取得後退学。博士(農学)。応用昆虫学分野の研究を行う。農業生産法人、茨城県農業総合センター生物工学研究所を経て、2008年、幸福の科学に奉職。現在、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティの未来産業学部アソシエイト・プロフェッサー。「自然と環境」「基礎生物B」などの授業を担当。著書に『スピリチュアル自然学概論』。
◎ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)未来産業学部のホームページ
http://future-industry.happy-science.university/
さまざまな論点から、生命は"唯物的な材料"のみでは分からないことを紹介してきましたが、今回は少し視点を変えて、「東洋では自然をどう見ていたか」を、冒頭、朱子の自然学を例に挙げて、見てみたいと思います。
朱子については、第5回で少し触れました。宋時代は、儒学の流れの中に霊的思想が取り入れられた時代です。朱子の自然学は「気の自然学」だと言われ、「世界はエネルギーに満ちている」ということを前提としています。
朱子の自然学では、形而上の「理 (イデア) 」は形而下の「一気」に現れ、一気はさらに「陰陽(気)」や「五行(質)」といった階層を持ち、全ての物質に影響を与えているという階層構造を持っています。
これは、プラトン哲学の「神─宇宙霊─物質」の考え方や、ルネサンス思想からシェリング哲学の「絶対者─自然霊(産み出す自然)─質料(産み出された自然)」の考え方に近いものです。また不思議なことに、「気」は、フランスの生物学者ラマルクが提唱した進化論の進化要因としての「自然」にも近いのです。