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《本記事のポイント》
- 2020年の大統領選を見据え、民主党から17人が出馬の意思を示す
- バイデン氏には疑惑が浮上し、ブーティジェッジ氏は中間層を取り込めない
- 現状では、民主党には強力な候補者が不在となっており、トランプ氏が有利
2020年の米大統領選の民主党候補者の指名争いで、ジョー・バイデン前副大統領が支持率トップとなり、ピート・ブーティジェッジ・インディアナ州サウスベンド市長が2位に浮上した。米キニピアック大学が、26日に発表した世論調査に明らかとなった。
24日には、マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長が、大統領選への出馬を正式表明。このほか、エリザベス・ウォーレン上院議員やバーニー・サンダース上院議員ら17人が立候補の意思を示している。
17人が出馬の意思を示す民主党
なぜ民主党の候補者が、これほど乱立しているのか。それは、トランプ大統領に勝てる強力な候補者がおらず、「自身にチャンスがある」と見て出馬を表明する人が多いためだろう。
民主党にとって悩ましい問題は、首位を走るバイデン氏に「ウクライナ疑惑」が起こり、支持を伸ばしきれない点だ。
同氏の息子であるハンター・バイデン氏は、ウクライナなどで不正なビジネスを行った疑惑が浮上している。民主党はトランプ氏の「ロシア疑惑」を追及している手前、大統領候補者のスキャンダルが真実であれば、致命的な打撃を受けることになる。
2位となったブーティジェッジ氏は、自ら同性愛者であることを公表し、2015年に男性パートナーと結婚した人物。日本の一部マスコミは、同氏の登場を「多様性」の観点から歓迎する向きもある。
しかし同氏は、LGBTに寛容な民主党員の支持を得ても、中間層の支持を得ることは難しい。アメリカには、保守的な考えを持つキリスト教徒が数多くいる。民主党は、中間層をより多く取り込まなければ、トランプ氏に勝てず、ブーティジェッジ氏の当選は厳しいとみられる。
中間層を取り込めず、トランプ氏が有利
そのほかウォーレン氏もサンダース氏も、富裕層への大増税などの「極端な左寄りの政策」を掲げており、民主党の主流派からの支持を十分に得られる見通しもない。そこで、「中間派」のブルームバーグ氏が出馬を表明したのだが、これまで何度も立候補を表明しており、新鮮味に欠けている。さらに同氏は、共和党から出馬した経験もある。
現状をみると、民主党にはトランプ氏に勝てる人物が不在となっている。強力な人物がいなければ、政権交代を果たすことはできず、トランプ氏が再選する可能性が高いと言えるだろう。
(山本慧)
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