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《本記事のポイント》

  • 8発のミサイルと17機のドローンが、世界最高レベルの防空体制を突破
  • ドローンが潜水艦や商船から飛来し、日本を奇襲攻撃する可能性も
  • 1000発以上のミサイルを日本に撃ち込め、高いドローン技術を持つ中国

9月14日、何者かに攻撃されたサウジアラビアアラムコの石油施設。アメリカやサウジアラビア(以下、サウジ)は「犯人はイランである」と批判し、イラン側は否定するなど、いまだに真相が分かっていない。

中東に緊張が走っているこの問題について、日本では、主に石油を輸入することへの影響が懸念された。だがそれとは別に、日本が憂慮すべき重要な問題が浮き彫りになっていた。

その問題とは、8発の巡航ミサイルと17機のドローンが、世界最高レベルを誇るサウジの防空体制を突破し、世界の原油供給の5%を一時的に止めたことだ。

ミサイルとドローンの同時攻撃は有効と証明

サウジはこれまで数十億ドルの巨費を投じて、西側諸国から最新鋭の防空システムを購入してきた。石油施設の周辺にも、防空ミサイルなどを展開していたという。

だが、最新技術を結集したはずの防空システムが、ミサイルとドローンを組み合わせた攻撃を前に、「無力」であることが証明された。防空体制の弱点を突いた今回の事件は、アメリカなどに衝撃を与えている。当然、中国や北朝鮮からミサイルを向けられている日本としても、無関係ではない。

日中戦争の有力な攻撃手法

日本の防衛省は、今年度の「防衛白書」の中で、中国が人工知能(AI)を搭載したドローンを同時に多数飛行させるスウォーム(群れ)に言及している。

米海軍の研究機関も、敵国に無人潜水艦を近づけ、そこから莫大な数のドローンを発進させ、重要施設などを攻撃する可能性を指摘している。

特定の国が、潜水艦ではなくても、太平洋を航行する民間商船を利用すれば、日本を奇襲攻撃することもできる。

今後、日中が本格的に軍事衝突した際、中国軍はミサイルとドローンによる「集中攻撃」を仕掛ける可能性も十分に考えられる。中国軍は、日本に対して1000発以上のミサイルを撃ち込め、ドローンも世界屈指の技術を持っているためだ。

今や中国、ロシア、韓国、台湾は「武装ドローン」を装備している。だが、日本にはそうした兵器はない。果たして、このような状況が安全であると言い切れるのだろうか。日本は「新しい脅威」への備えを急がなければならない。

(山本慧)

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