トランプ米大統領は20日、記者団に対し、アメリカが旧ソ連と結んだ中距離核戦力(INF)廃棄条約を破棄すると述べました。トランプ氏は「ロシアや中国が戦力を増強するのに、アメリカだけが条約を順守することは受け入れられない」と語っています。

対露強硬派として知られるボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は22~23日、モスクワで、ラブロフ外相やパトルシェフ安全保障会議書記と同条約について協議し、プーチン大統領とも会談する見通しです。

これまでトランプ政権は、ロシアが2017年3月、同条約に反して新型地上発射型巡航ミサイル「SSC8」を配備したと批判してきました。このミサイルがあれば、北大西洋条約機構(NATO)加盟国をいつでも核攻撃できます。

それに対し、ロシア側は、「我々は条約に違反していない。アメリカが欧州に配備を進めている地上配備型ミサイル迎撃システムこそ、条約違反だ」と反発しています。

条約破棄をめぐる背景には、「中国の軍事拡張への警戒感」があります。