チュニジアのメバザア暫定政権は1日、ベンアリ前政権下で非合法化されていたイスラム教系組織「アンナハダ」を合法化し、正式な政党結成を許可した。同党は7月中旬までに予定されている議会選に参加できるが、原理主義の拡大を懸念する声も上がっている。
現政権は、市民の不満を収めるべく政治活動の自由を広げようとしており、アンナハダ合法化はその一環だ。同党は81年にエジプトの穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の影響を受けた知識人らが結成したもので、指導者のラシド・ガンヌーシ氏は1月に亡命先の欧州から帰国している。
「アラブ民主化」の口火を切ったチュニジアでどのような新政府が樹立されるかは、他国の命運をも左右するだろう。こうした中、3月9日発売のニューズウィーク日本版は、ラシド・ガンヌーシ氏が近くトルコを訪問する予定で、イスラムと近代民主主義を両立させ安定した政権運営を行う同国のエルドアン首相に学ぼうとしていると報じている。
同首相もかつては過激な原理主義者だったが穏健派に転じ、同首相が党首を務める公正発展党(AKP)も民主政党となった。同政権は現代トルコ史上最も安定しているとされ、同国は年率8%の成長を遂げ、近隣諸国とも良好な関係を築くなど、「イスラムと民主主義の両立」が可能であることを示す成功事例と言われている。
チュニジアもこの例に追随できるか、アンナハダの動向に注目したい。(由)
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