《本記事のポイント》
- 改憲に必要な歴史観――戦前から進んだ「民主国」だった日本
- 金正恩に騙されないために――その指導者は国民のための自らを犠牲にできるか?
- 板門店での米朝会談を考えるトランプの真意
改憲議論が、揺れに揺れている。
北朝鮮問題や、中国の覇権拡張など、アジア情勢は日増しにきな臭くなる。一方、改憲発議を目指す安倍政権は、スキャンダル続きだ。
そんな中で迎えた3日の憲法記念日、大川隆法・幸福の科学総裁は幸福の科学・東京正心館で、「高貴なる義務を果たすために」と題して講演し、国家のあるべき姿について語った。本欄では、その一部を紹介する。
改憲に必要な歴史観――戦前から進んだ「民主国」だった日本
まず大川総裁は憲法改正について言及した。
現行憲法は「戦力不保持」などを謳っている。それは、GHQが戦後、日本の"牙"を抜くために制定したものだった。この根底にあるのは、「日本は戦前、全体主義の悪い国だった」という価値観だ。
しかし大川総裁は、日本が明治維新より「四民平等」を掲げていたことを指摘。一方、アメリカにおいて、ジョン・F・ケネディ大統領の時代まで、激しい黒人差別が行われていた。そのことを考えれば、民主主義という面において、日本の方が進んでいたと言える。大川総裁は、「 日本のよさというもの、自信を持つべきものは自信を持つものとして、やっぱり、ちゃんと認めるべき 」と語った。
そうした健全な愛国心が、自虐史観から生まれた憲法の呪縛を解き、国家のあるべき姿を白紙の目で考えることにつながる。
金正恩に騙されないために――その指導者は国民の犠牲になれるか?
一方、民主主義とは正反対の独裁国家が、体制を守ろうと必死になっている。
北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長は、アメリカによる圧力を回避すべく、南北会談を行うなど「融和」姿勢を装い始めた。それを受けて、英ブックメーカー(賭け屋)のノーベル平和賞受賞に関する予想で、金正恩氏の名前が挙がるなどして話題になっている。
このまま金正恩氏が「ピースメーカー」であるかのようなムードが広がれば、核・ミサイルを持つ独裁軍事政権が維持される流れになってしまう。
それに対して大川総裁は、昭和天皇がマッカーサーに「私は死刑になっても構わないから、国民を助けてほしい」と言ったことを例に挙げ、「 トップがどういう人かをよく見極めなきゃいけない。(中略)そのトップが、国民を救うためだったら自分は犠牲になってもいいというような気持ちを持っているかどう か」と釘を刺した。
つまり、国民の幸福を真に願う指導者でなければ信頼するに足りないということだ。
大川総裁は、北朝鮮との交渉に際して、「非核化のために今後努力する」といった言葉だけで終わってはならないと指摘。さらに、非核化にとどまらず、ミサイル、化学・生物兵器も含めて、完全な武装解除をする必要があることを訴えた。
板門店での米朝会談を考えるトランプの真意
また大川総裁は、トランプ米大統領が米朝会談の場所として、シンガポールなどの第三国ではなく、南北の軍事境界線にある板門店を視野に入れていることの真意を分析した。
これは、アメリカが民主主義の価値観のもと、同盟国である韓国と共にあることを示す意味があるという。さらには、交渉決裂した際の"有事"も見込んでいる。在韓米軍を励ましつつも、第七艦隊がトランプ氏を守れる位置にいなければならないことを意味する。
また大川総裁は、朝鮮半島のみならず、中国による侵略を受けた南モンゴル・ウイグル・チベットなどでの人権弾圧も、解決すべき問題だと訴えた。
国家に必要な「自由・民主・信仰」
大川総裁は、こうした話を総括する形で、「 自由と民主と信仰。この三つが入る政治形態が、未来に目指すべきものです 」と語った。
自由と民主主義を入れれば、独裁国家は武器を使わなくても崩壊する。また、信仰があることによって、「人間がつくった法律や制度よりも上位の正義がある」という考え方が生まれる。これが、為政者の暴走や、人権弾圧の歯止めとなるのだ。
独裁国家・人権弾圧との戦いは、最終的には思想の戦いと言える。
講演では、他にも次のような多岐にわたる論点への言及があった。
- 政府の「働き方改革」がはらむ矛盾と危険性
- 「ゆとり教育」から考える、教える側・教わる側の意識の「呼応」
- 現代の教育の根底にある機械的な人間観
- 「働き方改革」と「AI(人工知能)時代」から考える、仕事と人生の意味
- 欧米と日本における労働観の違い
- 仕事の中にある真の幸福とは?
- 生涯現役のために必要な「知的好奇心」
- 文学や映画におけるインスピレーションについて
- イスラム圏を改革するための指針
ここに紹介したのは法話のごく一部です。詳しくは幸福の科学の施設で、ぜひご覧ください(下記参照)。
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