同じ立場にありながら、異なる思惑や考え方を持っていることを「同床異夢」と言いますが、北朝鮮の核放棄については、まさにそんな状態になっていると言えそうです。
ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が4月末のFOXニュースで明らかにしたところによれば、アメリカ・トランプ政権は、核放棄が確認された後に制裁を解除する「リビア方式」を念頭に置いて北朝鮮の核放棄を目指しているようです。
一方、北朝鮮は、4月末の南北首脳会談で「完全な非核化」を共同宣言に盛り込んではいますが、3月末の中朝首脳会談で「(韓国やアメリカが)段階的で同時的な措置をとるなら」と条件を付けています。
言葉としては同じ「核放棄」「非核化」を掲げていながら、両者の主張は大きく異なります。本欄ではこの違いをはっきりさせるとともに、今後どうすべきかを考えてみます。