人工知能(AI)が人間を超える「シンギュラリティ(技術的特異点)」が、2045年に到来する――。

近年、こんな主張を耳にします。ソフトバンクの孫正義会長も、2017年にスペインで行われたモバイル関連のイベントで、シンギュラリティは「30年以内に起こる」と述べるなど、シンギュラリティを前提に商品開発などを考える企業も出始めています。

この主張をけん引するのが、アメリカの発明家でAI研究の権威であるレイ・カーツワイル氏。同氏は、テクノロジーの急速な変化が人間のつくってきた文明に甚大な影響をもたらし、人間の生活が逆戻りできないほどに変容すると主張しています。

なかなか刺激的な未来予測です。本欄では、同氏がシンギュラリティは近いとする理由を探り、どれだけ現実味のある話なのか考えていきたいと思います。