人工知能(AI)という言葉を新聞やテレビで見ない日はありません。AIが将棋や碁でプロ棋士に勝ったという話題が一世を風靡したのは、もはやひと昔前。最近では、どこそこの企業がAIを導入して業務を効率化したなど、実用段階に入っています。

しかし、AIの専門家である東京大学准教授の松尾豊氏は著書(*)の中で、「実は、人工知能は2015年現在、まだできていない」と述べています。18年現在でも、状況は大きくは変わっていません。

これだけ世間でAIがもてはやされているのに、「できていない」とは、一体どういうことでしょうか。そもそもAIとは、一体何なのでしょうか。

本欄では、今後のAI関連のニュースを正しく読み解くためにも、AIの基礎知識を解説します。

(*)『人工知能は人間を超えるか』(KADOKAWA)