5年間の任期を終える黒田東彦・日銀総裁は4月、再任する運びとなっています。黒田総裁は、引き続き金融緩和を続けることを表明しています。

金融緩和は、お金を刷ることです。黒田氏は総裁になってから、お金の量(マネタリーベースと言います)を3倍にも増やしました。

今後もお金を刷るとなると、「円が紙切れになりはしないか?」という不安の声も増えるでしょう。

「お金への不安」と言えば、仮想通貨も話題になっています。

年初に大きく値を落としたビットコインは、再び値上がりしつつあります。本誌5月号で「仮想通貨」を特集するに当たり、編集部員もビットコインを買ってみましたが、現時点では購入時より値上がりしています。

「仮想通貨がこれからも価値を持つのか?」は、今後も議論されるでしょう。

刷られ続ける円、根強い人気を持つビットコイン――。こうした"お金"の将来を考えるにつけて、「そもそも、なぜお金は価値を持つのか?」という原点が、問われつつあります。

本欄ではそれについて、「お金の歴史」を簡単に振り返りながら解説します。