銃や自動車事故より、病院で処方される鎮痛剤によって亡くなるアメリカ人の方が多い――。
こう聞くと、多くの日本人は驚くかもしれません。
病院で処方される鎮痛剤の中でも、オピオイド系と呼ばれるものは、鎮痛効果が高い一方で依存性も高く、過剰摂取による中毒者が増加。処方された鎮痛剤を長期服用した結果、中毒となり違法薬物に手を出すというケースが後を絶たないのです。
中毒者はアメリカ全土に200万人いると見られ、2016年に薬物過剰摂取によって死亡した6万7000人のうち、約6割がオピオイドによるものとされています。
この問題に対し、ドナルド・トランプ米大統領が、手を打ち始めています。10月、トランプ氏は鎮痛剤の過剰摂取による薬物中毒の増加を米国の「国家的不名誉」だとし、「公衆衛生の緊急事態」を宣言しました。