エジプト政府が18日に、イランの軍艦2隻がスエズ運河を通過することを許可した。各メディアで報じているが、イラン軍艦がスエズ運河を通過するのは、1979年のイラン革命以来となる。2隻の軍艦はフリゲート艦と補給艦で、シリアに向かうものと見られている。一部報道では同運河の通航予定は21日とされている。

イランとシリアはイスラエルと敵対しており、イスラエルは「挑発行為だ」と反発している。アメリカも「積荷と目的地、意図が何なのか問題だ」(クローリー国務次官補)と懸念している。

エジプトでは、ムバラク大統領が辞任した翌日の12日に、軍の最高評議会がイスラエルとの平和条約を尊重する趣旨の声明を出していたが、イランの軍艦の通航許可を出したことで、エジプトの外交方針に微妙な変化が生じている可能性がある。親米だったムバラク政権が倒れたことで、中東のパワーバランスが崩れつつあるようだ。

13日には大川隆法総裁が法話「セルフ・ヘルプと愛国心」で「エジプト民主化は、イスラエル消滅の危機」と述べたが、まさにその状況が現れてきている。ムバラク政権が倒れたエジプトでは、ムスリム同胞団の影響が強いと見られている。その一方で、米国が今、沈黙し、イスラエルから引こうとしている。(村、吉)

【参考記事】大川隆法総裁法話「セルフ・ヘルプと愛国心」 http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1293

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