ロシアのメドベージェフ大統領が、北方領土の軍備増強を現地に指示している。

9 日付の産経新聞などが報じているもので、日本の北方領土と千島列島について「私たちの戦略的地域だ」と述べ、「軍備増強は、ロシアの一体不可分の領土として、この島々の安全を確保するために不可欠だ」「すべての国はこの島々がロシアの領土であること理解しなければならない」などと言っているという。

菅首相が7日、昨年 11月のメドベージェフ大統領の北方領土訪問について「許し難い暴挙だ」と発言したことを受けての打ち返しと見られる。

ロシアの実効支配強化に向けた取り組みの一環でもあろうが、日本はもう一段の国防戦略と資源戦略の練り直しが必要だろう。昨年の尖閣諸島の中国漁船衝突事件で国防意識が芽生えつつあるが、政府の対応は常に後手に回っている印象を拭えない。

中国、北朝鮮、ロシアの三カ国とのパワーバランスをどのように取っていくことが日本の国益と東アジアの平和につながるか。それを考えた上で、長期的な外交・防衛戦略を築く必要がある。菅首相の「暴挙」発言の背景に、そうした戦略性を感じないのは杞憂に過ぎなければいいのだが。(村)

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