≪本記事のポイント≫
- ロボットによるハラスメントが出てくる時代に
- 人間は機械に劣っているわけではない
- 心の価値に目を向けるべき
近年、産業の現場へ参入しはじめたロボットと人間との協調をどうすべきかについて、注目が集まっている。そんな中、日経産業新聞はこのほど、「生産現場の『ロボハラ』防げ」と題した記事を掲載した。
記事によると、人間とロボットが共に仕事をする中で、人間の柔軟な対応をロボットが妨げることがあるという。例えばロボットは、あらかじめ決めた道以外を通ることができない。工事などで迂回路を通る場合、ロボットに新しいプログラムを書き込む必要があり、小さな変更にも大きな手間がかかる。これをロボットハラスメント(ロボハラ)と呼ぶ。
また、生産の主体が人間からロボットへ移り変わると、人間の仕事のやりがいが損なわれる可能性も指摘されている。慶応義塾大学特任教授の永島晃氏は、「現場の主体がロボットに代わると、人間は『今日これだけの仕事をした』という実感が持てなくなり、労働環境に必要な主体感が損なわれる」と主張しているという。
人間はロボットに劣る生産者ではない
ただ、産業ロボットへの恐れは、人間を単なる「働く機械」として考える“人間機械説”のような思想からくるものではないか。
ロボットによる労働は、決められたことを決められた通りにやり続けることができるという面では、人間に勝っている。しかし、予想外の事態での判断や、新たな価値を創出するという点では、人間の方が優れている。
クレームへのとっさの対応や、マニュアルに載っていないプラスアルファのサービスの提供は、人間の経験からくる閃きによるもので、ロボットでは成し得ない。また、仕事における善悪の判断や、公害への対応など倫理的な判断も、ロボットにはできない。
人間とロボットが肩を並べて働く社会が近づきつつあるが、人間がロボットに引けを取るわけではない。
心の価値に目を向けるべき
むしろ人間は、機械ではできないことを意識する機会として捉えるべきではないだろうか。その点、大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『奇跡のガン克服法』のなかで、次のように述べている。
「 ロボット、あるいは単なる機械と、生きている人間との違いは、どこにあるかというと、やはり、『心の存在を感じるかどうか』ということなのです。その『心』なるものは、別な言葉で言うと、実は生命というものです。(中略)『この肉体を使って、どういう人生を生きようか』と考え、計画している、強い意志、意欲です。これが、実は、心なるものの正体なのです 」
人間は、「人を幸福にしたいという心」をもっている。この思いがあるからこそ、今までにない付加価値を生み出そうという創造性が発揮される。同じ生産物をつくるにしても、ロボットと人間には、そうした違いがある。
これからの時代は、ロボットの存在が当たり前になればなるほど、人間の心が大きな価値を持ってくる。(亮)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『奇跡のガン克服法』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=50
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