新聞等が一斉に報道しているが、28日、霧島連山の新燃岳(しんもえだけ)で溶岩ドームが確認された。マグマの上昇に伴う激しい爆発を繰り返しており、学者の間では、300年前の大噴火に酷似との見解も出ている。

1716年~17年にかけて噴火した当時は、徳川吉宗の時代、江戸の享保年間。マグマ噴火で、軽石を噴出。「火石にて家屋焼失」と火砕流が発生し、泥流も発生。死者も出て、牛馬の被害は420頭との記録も。また火山灰が十数センチ積もり、農地に大打撃を与えている。噴火は断続的に1年間続き、なんと850km離れた八丈島に降灰があったそうだ。

今回も新燃岳から噴出した軽石を調査したところ、享保の大噴火で噴出したマグマと組成がきわめて似ていることが判明。享保の大噴火と推移が似ており、さらに激しい噴火が起きてもおかしくないという。厳重な警戒を要する事態となっている。

現在、新燃岳の地下2カ所に東京ドーム6杯弱にあたる計約700万立方mのマグマがたまって噴火につながったと推定されている。降灰によってすでに農業や生活や観光に大きな影響が出始めている。宮崎県都城、日南、串間、三俣の4市町で野菜が収穫できなくなり、約7000ヘクタールの農作物に被害が出ているもよう。

なお高知県内では新燃岳の噴火の影響で、「空振(くうしん)」現象が起きているとのことだ。県西部の住民から「窓ガラスがガタガタと振動する」「ゴーという音がする」などの報告が高知地方気象台に寄せられている。空気中に振動波が広がる「空振」と呼ばれる現象が発生したとみられている。

ザ・リバティ最新号(3月号)で火山噴火の危険性についてふれたばかりなだけに、新燃岳の噴火にリアルなインパクトを受けている。(ア)

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