東京都知事選で各候補が様々な公約を掲げているが、世界における東京の都市ランキングを上げることはできるか、というのも都知事の腕の見せ所となるだろう。

森記念財団が作成している「世界の都市総合力ランキング(2015)」によると、現時点では、東京はロンドン、ニューヨーク、パリに続く4位という高評価ではある。

特に「経済」の分野では、堂々の世界1位。東京のGDPは、インドネシア一国よりも大きく、世界の国のGDPランキングに入れても16位に入る。

東京のネックは国際便の少なさ

東京五輪をテコに確実に順位を上げ、1位を目指したいもの。そのためには足を引っ張っている項目を伸ばすのが得策だろう。

東京が、上位4都市の中で最も弱い部分は何か。それは、「交通・アクセス」。特に、世界からのアクセスが悪い。

例えば、「国際線の直行便就航都市数」は、ロンドンの317都市に対して、東京は85都市と、3分の1以下しかない。また、「国際線旅客数」も12位と、大きく遅れをとっている。

地方都市の発展は「新幹線が通っているか」に大きく左右されるのと同じように、海外と行き来しやすいかどうかは、「都市の国際化」の根幹に関わる。

国際線を増やすには、一つには、「滑走路を増設する」という手がある。しかし、あれだけ建設に苦労した羽田・成田空港で再び大規模な開発を行なうのは難しいだろう。

また、「単純に飛行機の発着回数を増やせばいい」という考えもある。しかし、航空機を安全に発着できる回数というのは決められている。政府も「発着回数の上限」を引き上げているが、限界はあるだろう。

「東京の24時間化」が国際化の鍵

ここで鍵となるのは、羽田空港の“完全"24時間化だ。

羽田空港は、確かに24時間開館している。しかし、実際の離発着を見ると、深夜の5時間ほどは、便の離発着は見られない。

これは別に、羽田空港が規制しているわけではない。深夜に羽田に着いたところで、電車もモノレールも動いていない。タクシーで東京に向かったところで、店も開いていない。深夜の羽田出発もしかりだ。どの航空会社も、深夜の羽田は使いたくないわけだ。

つまり羽田を本当の意味で24時間化させるには、交通機関を中心に、東京の基本的な都市機能を24時間化させる必要がある。そうすれば、自ずと24時間営業の店も増えるだろう。

もし深夜の時間帯も飛行機が発着すれば、単純に便数も増える。例えば、深夜に日本を出発すれば、ロンドンの仕事始め、朝8時に到着できる。観光にもビジネスにも、非常に便利となる。

これにより“深夜便"の需要が増え、国際線の就航数が増えれば、東京のランキングは大きく上がる可能性が高い。

「24時間ときめく東京」

今回の都知事選においては、東京の国際化を目玉に掲げる谷山雄二朗氏が「羽田空港の完全24時間化」を訴えている。

また、七海ひろこ氏は都市機能も含めた東京の24時間化を訴えている。これは同氏が掲げる「東京No.1宣言」の3つの約束の最後、「24時間ときめくことができる都市・東京」にあたるもの。

「ときめく」という言葉は、もちろん「胸がわくわくする」という意味があるが、「栄える」という意味もある。

こうした東京の24時間化政策は、東京を「世界No.1都市」に押し上げるための急所ともいえるものであり、東京の国際化と、大きな経済効果を生み出すことだろう。

(馬場光太郎)

【関連サイト】

七海ひろこ公式サイト

http://nanami-hiroko.net/

2016年7月13日付本欄 【都知事選】幸福実現党 七海ひろこ氏出馬表明 「東京が1番じゃなきゃイヤなのでございます」

http://the-liberty.com/article.php?item_id=11627