チュニジア政変を受けて、民主化を求める動きがヨルダンやエジプトなど、他のアラブ諸国にも波及してきた。これを受けて24日付の米紙ワシントン・ポスト社説は、欧米諸国は新たに民主主義国となるチュニジアに、経済援助や貿易などを通じて支援を行うべきであると述べている。また、独裁が続くエジプトなどの周辺国についても、積極的に政治的自由を広めるべく、時には経済援助や軍事援助をカードに、圧力をかけるべきだとしている。

民主主義を推し進めるという建前の一方で、時に親米独裁政権を支援することもあるアメリカ外交のダブル・スタンダードはよく知られている。民主化への波が波及することは人道的観点からもちろん好ましいとしても、外交的手段でそれを積極的に後押しするかについては、国際政治の計算が絡んでくる。対イスラエル核戦争の長期的危険を伴うイラン問題を地域の優先課題と見据えたときに、反米政権の成立を覚悟してまでアラブ諸国の民主化をアメリカが後押しできるかとなると、現実的には難しいものがあるだろう。

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