22日発刊の英誌エコノミストが、与謝野馨氏の菅改造内閣入閣を報じている。記事は、自民党の反発や与謝野氏と民主党との政策の不一致に触れ、税制改革の知識がある与謝野氏の起用は、ギャンブルでありながらも勇気ある決断と紹介している。また、改造人事は内閣が改革という一点に焦点を合わせたということであり、世論を味方に春の統一地方選を乗り切ることができれば、反対派を説得して財政問題に取り組めるかもしれないと、政権の先行きに希望を残している。

日本では与謝野氏起用を最後の悪あがきと見る声さえあるが、依然として欧米メディアには菅政権に期待を寄せる向きが一部にあるようである。「危機的な日本の財政を立て直すべく、消費税増税から逃げずに菅政権は改革に挑もうとしている」というニュアンスが、この記事からも伝わってくる。また、米メディアについて言えば、鳩山前首相が就任早々に日米同盟の見直しを言ったのに対して、菅氏が自信のない外交・安全保障についてあまり発言しないことが逆にアメリカ側を安心させている面もあろう。就任7カ月で米紙ワシントン・ポストが「ルーピー」と呼び、暗に辞任を求める論説が出回った鳩山氏とは、扱われ方にだいぶ差があるように思える。国内がほとんどを占める国債の保有状況などの日本の財政の内情や、菅氏の思想的な背景などについては、あまり広く知られていないということかもしれない。

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