1月24日発売の週刊ポストに「バブルを起こせ!」という興味深い記事が出ている。

記事の趣旨は、「バブルは幻想だったわけではなく、バブル経済には効用もあった。現在のデフレの元凶はバブルではなく、政治的な過ちである。第二のバブルを起こせば日本経済は再生する」といったもの。

こうしたバブル礼賛記事は日本のマスコミには極めて珍しいスタンスだ。本誌では95年の創刊以来、繰り返し「バブルは悪ではなかった」と訴え続けてきた。90年代前半の段階でバブルは悪くないと指摘した人物は、大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁をはじめ、経済学者の宮尾尊弘氏、経済評論家の飛岡健氏など、ほんの数人しかいなかった。最近の識者でも、経済評論家の三橋貴明氏など、数えるほどしかいない。

最近になって、ようやくデフレではなく緩やかなインフレ路線の方が望ましいというコンセンサスができつつあるが、それまでは「インフレ=バブル」のような刷り込みがあって、地価が少し上がるたびに某新聞などは「バブルの懸念!」などと大げさに騒ぎ立てていた。

しかし、三橋貴明氏が同誌の記事で述べているように、株や不動産の値上がりは、基本的に「国の富が増えるのだから決して悪いことではない」。

こんな当たり前の議論が、日本ではまだ珍しいということが、日本経済が低迷している最も大きな理由だろう。資本主義では、基本的にインフレを肯定しなければ、成功することはできないという経済の原則を知る必要がある。(村)

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