米ニューヨーク・タイムズ紙が16日、イランのウラン濃縮関連施設のシステムがコンピュータ・ウイルスに感染した、核開発が数年遅れる見通しとなっていることについて、アメリカとイスラエルによる「サイバー攻撃」である可能性が高まったと報じた。

イランの核開発を阻止したいアメリカとイスラエルは、イスラエル国内の試験施設でコンピュータ・ウイルス「スタクスネット」がウラン濃縮装置を誤作動させるか確かめた後、実際に攻撃を行ったと見られている。イラン核開発阻止の手段としては、核関連施設への空爆というのが当たり前だった。それがサイバー攻撃に代わったということなら、すでにサイバー戦争の時代が始まったということだ。

サイバー攻撃と言えば、中国の人民解放軍がサイバー部隊を設け、電子戦争の準備をしているとされる。アメリカの国防総省は年次報告書で、アメリカの政府機関が軍事情報を獲得する狙いで中国から攻撃を受けたと記している。自衛隊にもサイバー部隊が設置されているが、あくまで防御するためのものだ。サイバー戦争の時代どう対処するか。これからは、サイバー攻撃を先制攻撃をみなすことができるのか、金融や交通など社会インフラを攻撃することは許されるのか、といった国際的な取り決めが必要になってくる。でなければ、大規模なサイバー戦争は社会的にあまりにも影響が大きすぎる。(織)

*現在、デイリーニュースクリップは無料でお読み頂けます。ザ・リバティwebの購読者にはニュースクリップをメールでも配信しております。