中国による南シナ海の領有の主張は不当だとして、2013年、フィリピンは国際仲裁手続きを起こしていました。それに対し、常設仲裁裁判所(オランダ・バーグ)は10月29日、この問題は自らに審議の管轄権があると判断。反対していた中国の主張を退け、本格的な審理に入ることを決めました。

今後、中国が埋め立てを進める岩礁は「島」かどうか、フィリピンの漁業を妨害しているかなど、7項目について審議が進んでいきます。

この決定について、フィリピン外務省の報道官は「判断を歓迎する」とコメント。アメリカの高官も「南シナ海の領有権紛争において、国際法が妥当だと示した」と述べました。一方、中国外務省の報道官は「仲裁案には加わらない。決定は無効で、中国に対して何の拘束力も持たない」と反発しています。

公平な場で議論することを嫌う中国

中国が裁判に応じない理由は、オープンな場で公平に議論すれば、必ず負けることが分かっているからでしょう。