米オバマ政権が法人税引き下げに向けた議論を本格化させようとしている。

米ガイトナー財務長官は 12日、包括的な法人税改革を進める意向を示し、14日には主要企業の最高財務責任者らを集めて意見を聞くとしていた。その後、14日付の朝日新聞は、12日夜に米政府高官が「法人税率を引き下げ、課税ベースを拡大する考えを経済界などに話すつもりだ」と語ったと報じた。

米国の連邦法人税率は現在 35%で、州税と合わせた実効税率はさらに高く、カリフォルニア州は実効税率40.75%と世界最高水準。この高税率が競争力を低下させているとの経済界の不満は以前より根強くあった。そして同じく主要国の中で法人税率が高い日本が、昨年末に法人実効税率を現行の約41%から5%引き下げると決めたことで、米国でも減税を求める声が高まっていた。

さらに米国では昨年 11月の中間選挙で米民主党が大敗し、共和党が下院で過半数を獲得してねじれ議会が発足したことで、オバマ大統領は共和党との融和を目指して中道への路線転換を図っており、今回の減税もその一環と考えられる。

減税を重視する共和党は議会での議論に積極的に応じると見られるが、税率引き下げと減税措置削減の組み合わせで結局どの程度の実質減税となるのかが、議論の焦点になりそうだ。(由)

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