写真:ロイター/アフロ

2020年5月号記事

ニュースのミカタ 3

国際

貿易戦争の「休戦ムード」に騙されるな!

トランプの攻勢はこれからが本番

新型コロナウィルス問題や今年11月の米大統領選の本格化により、世間の話題に上る頻度が減った米中貿易戦争。しかし注意深く見ると、貿易戦争は激しくなっていました─。

詳しい話に入る前提として、2月に発効された米中合意の内容を確認しておきましょう。

中国は今後2年間で、アメリカから農産品など約22兆円相当の輸入を増やし、対米貿易黒字を大きく減らします。知的財産権の保護を強化するほか、自国通貨を安くして輸出を伸ばす「為替操作」を行わないことなどで合意しました。

対するアメリカは、中国製品への制裁関税の一部を引き下げ、米財務省による中国への為替操作国の認定を解除しました。

これについて多くのマスコミは「貿易戦争の終息」「休戦」などと報じ、緊張緩和というムードをつくり出しています。