《本記事のポイント》
- 国際会議で「宇宙人との対話方法」が議論された
- 言語の理解以前に、テレパシーなどの可能性も
- 地球人の常識を超えていることを想定すべき
「果たして地球人は、宇宙人の言語を理解できるのか」という点について、専門家たちが国際会議で議論した。
5月24日から27日にかけて、米ロサンゼルスで開催された米国宇宙協会主催の国際宇宙開発会議で、「宇宙の言語」というワークショップがMETIの科学者によって行われた。
METI (Messaging to Extra-Terrestrial Intelligence) とは、地球から宇宙にメッセージを発信して地球外知的生命体を探査するプロジェクト。反対に、宇宙からの電波を解析して知的生命体を探査するのをSETI(Search for Extra-Terrestrial Intelligence)という。
このワークショップでは、学者たちが実際に地球外知的生命体に遭遇したときに宇宙語をどう理解するかについて発表した。このような宇宙人とのコンタクトやコミュニケーションというトピックが国際宇宙開発会議で議論されるのは、今回で3回目という。
「宇宙人の言語」でさまざまな議論が展開
海外サイトAstronomy.comなどの記事によると、「現代言語学の父」として著名なノーム・チョムスキー氏は、「地球上の言語は、どれほど多様であると言っても、互いに理解できる普遍的な文法があり、すべての言語に共通の基礎構造がある。もし、火星人が地球に来たら、地球人は同じ1つの言語の方言を話していると思うだろう」と語る。
これに対し、METI代表のダグラス・バコッホ氏が「しかし、宇宙人に言語があるとして、果たして地球の言語に似ているかは大きな謎だ」と疑問を呈すると、チョムスキー氏は楽観的で、「同じ宇宙の文法ルールを持つだろう、むしろ、文法よりも、どのような意思疎通の方法を持つのかを理解することの方が課題である」とした。
一方、司会を務めたMETIのメンバーでもあるシェリ・ウェルズ=ジェンセン氏は、「人類の言語の起源もよく分かっておらず、1つのサンプルからは想定できない」と懐疑的だった。他の学者からは、地球の言語は物理的、生物学的な制約を受けるという観点から、宇宙人も同じ物理学的法則に制約されるだろうという発表もあった。
物理的なものからスピリチュアルなものまで
宇宙人の言語といえば、2016年、アメリカでヒットした映画「アライバル」(邦題「メッセージ」2017年日本公開)を思い起こさせる。
ある時、謎の宇宙船が地球の各国に飛来するのだが、彼らが何をしに来たのかが分からない。そこで、言語学者が彼らの言語の文字の解読を試みるが、その文字というのが超ユニーク且つ難解。そもそも最初はそれが文字だという認識すらできなかった。映画では、そんな状況が描かれていた。
肉体からしてヒューマノイドとは全く異なるタコのような触手を持つ宇宙人で、意思疎通の方法の理解が、最初のハードルだった。これは、チョムスキー氏の指摘と通じる。
ということで、ここまでは学者による宇宙人コミュニケーションの想定だが、UFO学では数多くのアブダクションの報告などから、宇宙人のコミュニケーションは、言葉というよりは思念、テレパシーによる意思の伝達の可能性も指摘されている。言葉を介することもなく、なぜか意思が伝わってくるという伝達方法である。
宇宙のコミュニケーションは、物理的なものからスピリチュアルなものまで地球人の常識を大きく超えているのかもしれない。そう想定しておいたほうがいいだろう。(純)
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